「外国人を採用したいが、どの制度を使えばいいのかわからない」「特定技能という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的に何ができる制度なのか」──このような疑問をお持ちの企業担当者の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、特定技能制度について以下のポイントを網羅的に解説します。
- 特定技能制度の概要と創設の背景
- 特定技能1号・2号の違いと対象16分野の一覧
- 採用から就労開始までの具体的な流れ
- 採用にかかる費用の内訳と相場
- 技能実習制度との違い
特定技能とは、人手不足が深刻な16の産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を即戦力として受け入れるための在留資格です。
外国人有料職業紹介事業(許可番号 13-ユ-317879)を運営し、グループ内に入管業務専門の行政書士法人を持つTreeGlobalPartnersが、実務経験を踏まえてわかりやすく解説します。
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特定技能とは?制度の基本を解説
特定技能制度の定義と目的
特定技能とは、人手不足が深刻な産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。2019年4月、改正出入国管理及び難民認定法(入管法)の施行により創設されました。
従来の就労ビザは、高度な専門知識を持つ「高度人材」に限定されていました。しかし、少子高齢化による深刻な人手不足に対応するため、一定の技能を持つ外国人材を幅広い産業分野で受け入れられるようにしたのが特定技能制度です。
なぜ特定技能が注目されているのか
特定技能制度が注目される背景には、日本の労働力不足の深刻化があります。2024年度から2028年度の5年間で最大約82万人の受入れ見込み数が設定されており、これは以前の約2.4倍にあたります。
実際に、特定技能で在留する外国人は急速に増加しています。2025年6月末時点で約33万6,000人が在留しており、前年同期比で約18%増加しています。国籍別ではベトナムが最多で約44%を占め、次いでインドネシア(約21%)、ミャンマー(約11%)、フィリピンと続きます。
特定技能の法的根拠
特定技能制度は、出入国管理及び難民認定法(入管法)を根拠としています。具体的には、2018年12月の法改正により「特定技能1号」「特定技能2号」の在留資格が新設され、2019年4月1日に施行されました。制度の詳細は、出入国在留管理庁の特定技能制度ページで確認できます。
特定技能1号と2号の違いを比較
1号と2号の比較表
特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。企業が採用を検討する際は、それぞれの違いを正確に理解することが重要です。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年(1年・6か月・4か月ごと更新) | 上限なし(3年・1年・6か月ごと更新) |
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 日本語要件 | 日本語能力試験N4以上 または JFT-Basic A2以上 | 試験なし(技能試験のみ) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 可能(配偶者・子) |
| 対象分野 | 16分野 | 11分野(介護を除く) |
| 支援の要否 | 支援計画の策定が必要 | 不要 |
| 永住権申請 | 在留期間はカウントされない | 就労5年にカウント可能 |
企業はどちらを選ぶべきか
初めて外国人材を採用する企業は、まず特定技能1号での受入れが一般的です。1号で経験を積んだ外国人が2号の技能試験に合格すれば、在留期間の制限なく長期的に活躍してもらうことが可能になります。
なお、介護分野では特定技能2号が設定されていません。介護分野で長期的に外国人を雇用したい場合は、「介護」の在留資格への移行を検討することになります。
特定技能の対象16分野と受入れ見込み数
16分野の一覧(2024年3月閣議決定)
2024年3月29日の閣議決定により、特定技能の対象分野は従来の12分野から16分野に拡大されました。新たに「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が追加されています。
| 分野 | 受入れ見込み数(5年間) | 2号移行 |
|---|---|---|
| 工業製品製造業 | 173,300人 | ○ |
| 飲食料品製造業 | 139,000人 | ○ |
| 介護 | 135,000人 | × |
| 建設 | 80,000人 | ○ |
| 農業 | 78,000人 | ○ |
| 外食業 | 53,000人 | ○ |
| ビルクリーニング | 37,000人 | ○ |
| 造船・舶用工業 | 36,000人 | ○ |
| 自動車運送業 ※新規 | 24,500人 | × |
| 宿泊 | 23,000人 | ○ |
| 漁業 | 17,000人 | ○ |
| 自動車整備 | 10,000人 | ○ |
| 木材産業 ※新規 | 5,000人 | × |
| 航空 | 4,400人 | ○ |
| 鉄道 ※新規 | 3,800人 | × |
| 林業 ※新規 | 1,000人 | × |
| 合計 | 820,000人 | |
受入れ見込み数は「上限」ではなく「見込み数」ですが、大幅に超過した場合は制度の見直しが行われる可能性があります。詳しくは出入国在留管理庁の閣議決定ページをご確認ください。
自社が対象分野に該当するかの確認方法
特定技能で外国人を受け入れるには、自社の事業が対象分野の「業務区分」に該当する必要があります。各分野には細かい業務区分が定められており、単に業種が一致するだけでは対象にならない場合もあります。該当するかどうかの判断に迷う場合は、専門家への相談をおすすめします。
特定技能外国人を採用するまでの流れ
特定技能外国人の採用には、大きく分けて5つのステップがあります。海外在住者を採用する場合は4〜6か月、国内在住者の場合は2〜3か月が一般的な所要期間です。
Step 1: 受入れ計画の策定
まず、自社が特定技能の対象分野に該当するかを確認します。そのうえで、必要な人数・業務内容・雇用条件を整理しましょう。各分野の協議会への加入も必要です(初回受入れ後4か月以内)。
Step 2: 人材の募集・選考
人材紹介会社を通じて候補者を募集し、面接・選考を行います。海外在住者の場合はオンライン面接が一般的です。候補者は分野別の技能評価試験と日本語能力試験(N4以上またはJFT-Basic A2以上)に合格している必要があります。なお、技能実習2号を良好に修了した方は、関連する分野であれば試験が免除されます。
Step 3: 雇用契約の締結
日本人と同等以上の報酬条件で雇用契約を結びます。労働条件を外国人の母国語で説明することが義務づけられています。フルタイム(直接雇用)が原則で、農業・漁業以外では派遣は認められません。
Step 4: 在留資格の申請
出入国在留管理局に申請を行います。海外在住者は在留資格認定証明書交付申請、国内在住者は在留資格変更許可申請となります。審査期間は1〜3か月です。あわせて、1号特定技能外国人支援計画の策定も必要です。
Step 5: 入国・就労開始
ビザ取得後、入国して就労を開始します。登録支援機関または自社による事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談対応などの義務的支援(10項目)を実施します。また、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」も忘れずに行いましょう。
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まずは無料で相談する採用にかかる費用の内訳と相場はいくら?
特定技能外国人の採用にかかる費用は、主に「人材紹介手数料」「登録支援機関への委託費用」「在留資格申請費用」の3つです。以下に一般的な相場をまとめます。
| 費用項目 | 一般的な相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 30万〜60万円/人 | 年収の20〜30%が目安 |
| 登録支援機関への委託 | 月額2万〜3万円/人 | 業界平均は約28,000円/人 |
| 在留資格申請(行政書士) | 12万〜20万円/件 | 認定・変更・更新で異なる |
| 渡航費(海外から) | 5万〜15万円/人 | 出身国により異なる |
| 住居確保費用 | 実費 | 企業による確保が義務 |
上記はあくまで一般的な相場です。TreeGlobalPartnersでは、中間手数料を排除することでリーズナブルな人材紹介を実現しています。また、グループ内の行政書士法人Treeがビザ申請を代行し、登録支援機関としての委託料は月額9,800円(税抜)/人〜と業界平均の約1/3の水準です。
技能実習との違いと育成就労制度への移行
技能実習と特定技能の比較表
技能実習制度と特定技能制度は名称が似ていますが、目的も仕組みも大きく異なります。
| 項目 | 技能実習 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 国際貢献(技能移転) | 人手不足の解消 |
| 転職の可否 | 原則不可 | 同一分野内で可能 |
| 在留期間 | 最長5年(1号1年+2号2年+3号2年) | 1号: 通算5年 / 2号: 上限なし |
| 支援体制 | 監理団体が監理 | 登録支援機関が支援 |
| 求められる技能 | 未経験でも可 | 試験合格レベル(即戦力) |
| 家族帯同 | 不可 | 2号のみ可 |
育成就労制度(2027年4月施行予定)とは
技能実習制度は、「実態と目的の乖離」や人権侵害の問題が指摘されてきました。これを受けて、技能実習制度を発展的に解消し、2027年4月に「育成就労制度」が施行される予定です。
育成就労制度は「人材の育成・確保」を正面から目的に掲げ、3年間の在留を通じて特定技能1号の水準まで人材を育成する制度です。対象分野は特定技能制度と連動し、一定の要件のもとで転籍(転職)も認められます。現在技能実習制度を利用している企業は、2027年以降の制度移行に備えた準備が必要です。
よくある質問
Q. 特定技能と技能実習はどう違う?
A. 特定技能は「人手不足の解消」が目的で、即戦力の外国人を受け入れる制度です。一方、技能実習は「発展途上国への技能移転(国際貢献)」が目的です。特定技能では転職が認められますが、技能実習では原則転籍できません。なお技能実習制度は2027年4月に「育成就労制度」へ移行する予定です。
Q. 特定技能外国人の採用にかかる費用は?
A. 主な費用は、人材紹介手数料(30万〜60万円程度)、登録支援機関への委託費用(月額2万〜3万円/人が相場)、在留資格申請の行政書士費用(12万〜20万円程度)です。TreeGlobalPartnersでは中間手数料を排除したリーズナブルな価格でご紹介し、登録支援も月額9,800円(税抜)/人〜で対応しています。
Q. 特定技能の対象分野は何がある?
A. 2024年3月の閣議決定により、特定技能の対象分野は16分野です。介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野に加え、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が追加されました。
Q. 特定技能の在留期間は何年?
A. 特定技能1号の在留期間は通算5年が上限です。特定技能2号に移行すれば在留期間の上限はなくなり、家族帯同や永住権の申請も可能になります。詳しくは特定技能1号と2号の違いを徹底比較をご覧ください。
Q. 特定技能外国人を採用するまでどのくらいかかる?
A. 海外から呼び寄せる場合は4〜6か月、国内在住の外国人(留学生や技能実習修了者からの切替え)の場合は2〜3か月が一般的な目安です。在留資格の審査には1〜3か月かかるため、余裕をもった計画が重要です。
まとめ
本記事のポイントをまとめます。
- 特定技能は2019年に創設された在留資格で、人手不足が深刻な16分野で外国人を即戦力として受け入れる制度
- 1号(通算5年)と2号(上限なし・家族帯同可)の2種類があり、2号は11分野で移行可能
- 2024年3月の閣議決定で4分野が追加され16分野に拡大、5年間で最大82万人の受入れ見込み
- 採用の流れは「計画策定→募集・選考→雇用契約→在留資格申請→入国・就労開始」の5ステップ
- 2027年4月には技能実習に代わる「育成就労制度」が施行予定で、特定技能との連動がさらに強化される
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お問い合わせ・ご相談※ 本記事は2026年3月時点の法令・制度に基づいて執筆しています。 最新の情報は出入国在留管理庁の 公式サイトをご確認ください。個別のケースについては専門家にご相談ください。